クリエイター・デザイナーの方へ

 作家・デザイナー・イラストレーター・マンガ家など個人のクリエイターの方には、

 クライアントとの制作委託契約の結び方
 キャラクター・デザインを模倣・盗用から守る方法
 著作権以外でデザインや作品を守る方法
 作品を他人に模倣された場合に備えた著作権登録
 デザインと登録商標との関係について

 など、さまざなご相談をうけたまわります。


■クライアントとの契約の際のポイント

  •  クリエイターやデザイナーの方の中には「契約書」が苦手な方も多いようです。また、クライアントとの関係で契約書のことを言い出しにくい場合もあるでしょう。
     しかし、後々のトラブルを未然に防ぎ、安心して創作に専念するためにも、契約書は今後ますます重要になります。

    こんな「契約書」もあります
     契約書といっても必ずしも改まった書式である必要はありません。たとえばタイトルは「覚書」や「確認書」でも法律的には有効で、裁判での証拠能力もあるのです。
     契約書は本来、双方が記名押印する必要がありますが、たとえば見積書や工程表を提出する時に、制作条件を併せて記載しておき、その写しにクライアントに確認サインをもらっておくだけでも法律的に有効な契約となります。

     こうした方法は、トラブルが起きた場合の「泣き寝入り」を防ぐだけでなく、クライアントの担当者にそれとなく制作条件を意識させることで、無理な注文やなし崩し的な追加作業を要求しにくくさせる、という心理的な防衛策としての効果も期待できるのです。

    制作委託契約を結ぶ際のポイント
     契約の際には、次のようなポイントを押さえておく必要があります。

    @著作権は最終的に誰が有するのか?
    •  クライアントが納品と同時に著作権も得るという「買い取り方式」が多いのが実情ですが、著作権はクリエイター・デザイナー側に残し、契約上の利用目的の範囲でクライアントが独占的に利用できる、といった「使用許諾方式」も考えられます。
       また「買い取り方式」であっても、利用目的の範囲で著作権の一部だけをクライアントに売る、という形式も考えられます。
    A利用条件について
    •  「使用許諾方式」にできた場合、利用目的の範囲や期間などについてあらかじめ契約で取り決めておくことで、範囲外の利用や期間延長が生じた場合には別途に追加利用料を払ってもらえるようにすることもできます。
    B制作料や必要経費について
    •  「使用許諾方式」よりも「買い取り方式」の方が、また「使用許諾方式」の場合は利用目的の範囲が広く、期間も長い方が当然制作料は高くなりますが、いろいろな商品分野に展開が期待できるキャラクター・デザインなどの場合には、制作料が多少低くても「使用許諾方式」にして根本の著作権は手放さない、といった選択もありえます。
       また、契約では制作の必要経費をどこまでクライアントに負担してもらえるのか明確に取り決めておくことも重要です。
B著作権に関する契約書.gif Bメールでのご相談・お問い合わせ(反転).gif

■著作権だけではない!作品の守り方

  •  たとえばキャラクター・デザインは視覚的には「美術の著作物」として著作権で保護されますが、キャラクター商品を作る場合には平面・立体の商標として登録することもできます。
     そして、キャラクターがヒットして有名になれば、その盗用に対しては不正競争防止法で対抗できます。

    キャラクター・デザイン防衛の注意点
     また、通常キャラクターには「ミッキー・マウス」の場合のように先行するマンガやアニメがあり、その盗用・模倣には著作権侵害で対抗するのが一般的でした。
     しかし、最近では創作当初からキャラクター・ビジネスの展開を予定して創作するケースもみられ、このタイプのキャラクターについては著作権で保護されない場合もあるので注意が必要です。 
     こうしたケースでは、模倣される前に戦略的に商標や意匠として登録しておくことも考えるべきです。

     このように、デザインの種類やその商品化の方向によっては、著作権以外の様々な方法で複合的な防衛策を考えることが必要になってきています。

     izu-officeでは、こうした複合的デザイン防衛策のご相談にも応じます。ぜひ一度、お気軽にご相談下さい。
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■クリエイターやデザイナーも無縁ではない商標権
  •  グラフィックデザインなどの場合、著作権ばかりが意識されがちですが、商標権に関わるトラブルも増えていることに注意が必要です。
     たとえば、クライアント会社の商品やサービスのためにデザインしたロゴマークが、たまたまその会社と競合する会社の登録商標と似ていた場合。

    相手が登録商標なら「たまたま似ている」では済まされない!
     あなたがマネしたのではなく偶然似たマークをデザインしたのなら著作権法上は侵害にはなりませんが、相手が登録商標の場合「偶然の一致」であってもそれを使用するクライアント会社は商標権者である競合会社から差止請求や損害賠償請求を受けかねません。
     クライアント会社はあなたにその責任を問うてくる可能性もあります。

    デザイナーも商標調査する必要がある場合
     また、クライアント会社がそのマークを商標登録するつもりであることをあなたに伝えて発注していた場合、あなたには商標調査をする義務が発生します。
     そのため、他社の登録商標の存在によってクライアント会社が登録を受けられない場合、調査の義務を怠ったあなたは最悪の場合、クライアント会社からその責任も追及されることになります。

     こうしたことを防ぐには、クライアント会社に商標登録の予定がない場合でも、クライアント会社に事前調査をするようお願いしたり、できればあなた自身がプレゼンテーションの前に商標調査をしておくことが望ましいといえます。

     こうした商標調査についても、ぜひお気軽にご相談下さい。
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